ChatGPTについて詳しく解説します
- Custom Instructionsを設定したいのだけど、どう使えばいいのかわからない
- Custom Instructionsに入力するサンプル例を教えてほしい
この記事では、以上の疑問にお答えします。
「Custom Instructions」の機能については、前回の記事で詳しく解説しました。
しかし、この機能を実際にどのように活用すればよいのか、具体的な例文やシチュエーションが知りたいという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんな方々のために、「Custom Instructions」を最大限に活用するための具体的な方法や例文を6つご紹介します。
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著:I/O編集部
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Custom Instructionsはどんな時に使う?
Custom InstructionsはChatGPTの振る舞いや応答のスタイルを微調整するためのものです。
具体的に以下のような目的で使用すると、Custom Instructionsのメリットを感じられるでしょう。
Custom Instructionsを使う3つ目的
- 一貫した応答を得たい場合
- 複数のチャットで繰り返し同じプロンプトの入力するのを省きたい場合
- 複雑なプロンプトをシンプルにして誤解を最小限にしたい場合
ChatGPTと会話を続けていくうちに、ChatGPTが会話を忘れることってありませんか?
ChatGPTが会話を忘れるので、一貫した応答が得られず困っていませんか?
一貫した応答を得たい場合、繰り返し同じプロンプトを入力しなければならず、とても面倒ですよね。
会話の内容を忘れるという現象は、ChatGPTのトークン数が影響しています。
ChatGPT-3.5の最大トークン数は2048トークンで、ChatGPT-4の最大トークン数は4096トークンです。
目安として、英語で例えると1トークンは、おおよそ1文字としてカウントされます。
トークン数を超えると、古い情報は忘れられてしまいます。
基本的には、ChatGPTが会話を忘れることは防げないですが、Custom Instructionsで前提条件を設定しておくことで、一貫した応答が得られるので、毎回同じ指示を入力する手間が省けます。
また、プロンプトが長いとChatGPTに誤解される可能性が高くなります。
使用頻度の高いプロンプトはCustom Instructionsに設定しておき、プロンプトをシンプルにすることで、誤解を防ぎやすくなります。
Custom Instructionsで設定できる内容
Custom Instructionsに設定する指示内容
- ユーザープロファイル
- 応答トーン
- 応答形式
設定する個所が2か所あり、上側の設定項目に、ユーザープロファイル、下側の項目に応答トーンと応答形式を設定するのが一般的です。
間違えて登録しても、それほど応答結果には影響はありませんが、ChatGPTが誤解する可能性があるので、正しい個所に設定しましょう。
Custom Instructionsのおすすめ活用方法6選
ここからは、具体的なCustom Instructionsの活用例を詳しく解説していきます。
Custom Instructionsに設定するテキストの型も、ご紹介するので、型をコピペして使用することができます。
前提条件を設定しておく
ChatGPTから一般的な答えではなく、専門的な回答を求める場合、前提条件を設定しておくと、専門的な応答が得られやすくなります。
これは、指定された前提条件によってChatGPTがプロンプトに関連する背景や状況をより深く理解することができるからです。
たとえば、中学2年生の数学の教師としてテスト問題を作りたい場合、Custom Instructionsであなたのプロフィールを設定すると良いでしょう。
さらに、特定の教科書のページから問題を作成したいという場合は、そのページの内容を追加情報として提供することで、教科書が反映された、中学2年生向けの問題を効率よく生成することが可能です。
【設定項目】:上側
*コンテキスト:【私は中学2年生の数学の教師です】
【設定項目】:下側
*追加の情報:”出題したい教科書のページ内容をここに入力”
トーンを統一させる
トーンとは、ChatGPTが応答する際の声や調子です。
2つのサンプルをご用意しましたので、それぞれ解説していきます。
①大学生向けがChatGPTを使用して、レポートを作成する場合
大学生活は学びの場であり、多くのレポート作成が求められる場所でもあります。
そんな大学生の皆さんにとって、ChatGPTのCustom Instructions機能はレポート作成の強力な味方になることでしょう。
学術的なレポートでは、「だ・である調」が一般的に使用されます。
この文体は客観的で堅苦しい表現が特徴で、専門的な内容を適切に伝えるのに適しています。
ChatGPTのCustom Instructions機能を使えば、この「だ・である調」を簡単に設定できます。
この機能により、毎回プロンプトで指示を出す必要がなくなるため、レポート作成にかかる時間を削減することができます。
実際に活用している方も多いでしょう。
【設定項目】:下側
*応答トーン:【だ・である調で出力してください】
②ChatGPTを使用して、ブログ記事を一貫したトーンで作成する場合
ブログ記事を作成する場合、一貫したトーンで統一するのが基本となります。
トーンとは言葉の選び方や文章のスタイルという意味です。
そのような場合に、Custom Instructionsを活用すれば、一貫したトーンで記事を生成できます。
また、サンプル情報が多ければ多いほど、一貫したトーンが再現されやすくなります。
したがって、出力したいトーンのブログ記事を設定文字数上限の1500以内で、できるだけ多くコピーして、Custom Instructionsに追加情報として設定することで、コピペしたトーンを見事に再現できるようになります。
【設定項目】:下側
*応答トーン:追加情報の文章のトーンで出力してください
*追加情報:“ブログ記事を1500文字以内でここにコピペ”
ChatGPTの応答精度を上げる
ChatGPTは情報が不足していると、不足しているところは一般的な回答で応答しようとします。
一般的な回答を求めている場合はこれでもよいですが、多くの場合は具体的な回答を求めているのではないでしょうか。
具体的な回答をさせるには、ChatGPTに逆質問させることにより、不足している情報をユーザーに追加させるよう促すことができます。
不足している情報をChatGPTに与えることにより、具体的で精度の高い応答結果が得られます。
【設定項目】:下側
*応答形式:
・形式【情報が不足している場合は、事前にユーザーに質問してください】
ChatGPTに分かりやすく教えてもらう
ChatGPTに分からないことを教えてもらうことってよくありますよね?
ChatGPTに分かりやすく教えてもらうには、いくつかの方法があります。
ここでは、応答スタイル、応答形式について2つサンプルをご用意しました。
①【応答スタイル】:中学生にも分かるように解説してください
ChatGPTから学びたいことがあるとき、誰にでも分かる言葉で説明してほしいことがあると思います。
このようなときは、ChatGPTのCustom Instructionsに「中学生にも分かるように説明してください」と入力するとよいでしょう。
なぜなら、中学生のレベルで理解できる言葉で説明されるため、専門用語が出てこないことが多いからです。
たとえば、「光量子化現象とは何ですか?」とChatGPTに質問すると、「光量子化現象」に関連する専門用語が出てきますが、Custom Instructionsに「中学生にも分かるように解説してください」と設定すると、この難しい専門用語もわかりやすい言葉で説明されることがあります。
しかし、注意が必要で、この設定だけでは中学生向けの言葉使いになることがあります。
大人として適切に扱ってもらいたい場合、応答トーンを「正式」にし、ターゲットを「一般の大人向け」に設定すると、大人向けに、中学生でも分かるように説明されるようになります。
この方法で、専門用語をできるだけ使わずに、大人でも中学生でも理解できる言葉で説明してもらうことができます。
【設定項目】:下側
*応答トーン:【正式】
*応答形式:
・スタイル【中学生向けにも理解できるように出力してください】
・ターゲット【一般の大人向け】
②【応答形式】:PREP法
ChatGPTに分からないことを教えてもらうのに、PREP法を用いることは有効な手段です。
なぜならPREP法は、文章を「結論→理由→例え→結論」の順に組み立てる方法で、読者に内容を明確に伝えるためのテクニックだからです。
WEBライターがよく使うこの方法は、実際に多くのWEB記事がPREP法を使って執筆されています。
Custom Instructionsの応答形式に、PREP法を設定することにより、ChatGPTから分かりやすく教えてもらえるようになります。
【設定項目】:下側
*応答形式:
・形式【PREP法】
できるだけChatGPTが会話を忘れないようにしたい
ChatGPTが会話を「忘れてしまう」理由は、トークン制限があるためです。
トークン数が最大値に達すると、新しい情報を処理するためには古い情報が破棄されます。
その結果、長い会話で先の部分が「忘れられてしまう」わけです。
トークンとは、ChatGPTがテキストを解析する際の基本的な単位です。
ChatGPT-3の最大トークン数は2048トークン、ChatGPT-4の場合は4096トークンです。
1トークンは大体1単語に相当しますが、これは言語や文脈によって異なる場合もあります。
このトークン数には、プロンプト(質問や指示)、ChatGPTの応答、そしてこれまでの会話のログが含まれます。
ただし、Custom Instructionsで設定されたテキストは、このトークン数には含まれません。
トークン数の制限内でできるだけ多くの情報を維持するためには、応答をシンプルにしたり、不要な繰り返しを避けたりする工夫が有用です。
特に、GPT-3.5など、トークン数が少ないので、これらの工夫が重要です。
【設定項目】:下側
*応答形式:
・スタイル:
【必要最低限の情報だけを提供してください。詳細な説明や例は省略してください。】
【前置きや結論は省いて、事実だけを述べてください。】
【回答内で質問を繰り返さないでください。】
翻訳ソフトとして使う
ChatGPTを翻訳ソフト専用で使用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
様々な言語に対応しており、翻訳精度も優れています。
ChatGPTを使って翻訳するとき、毎回「日本語に翻訳してください」とプロンプトで指示するのは煩わしいですよね。
そんなときは、Custom instructionsの機能を使って日本語出力をあらかじめ設定しておくことが便利です。
そうすると、入力する手間が減らせます。
例えば、ChatGPTを翻訳ソフト専用で使用している場合は、外国語のテキストをコピペするだけで済むようになります。
ただし、長い文章には注意が必要です。
一度に全文を翻訳できない場合もあるため、必要に応じてテキストを分割して翻訳する必要があります。
【設定項目】:下側
*応答形式:
・形式【日本語に翻訳して出力すること】
まとめ
以上、Custom Instructionsの活用方法でした。
ここで掲載した活用方法は一例にすぎません。
Custom Instructionsの活用方法は、アイディア次第で様々な可能性に満ちています。
ご自身で色々試してみて目的に合った設定内容を探ってみるのも面白いですよ。
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以上、参考までに。
それでは!