Amazon, VPNについて詳しく解説します
- EC2のサーバからインターネット上にVPN接続したいです
- AWSにもVPNサービスがあるみたいですが、それで実現可能ですか?
- もし実現不可なら、他の方法でネットにVPN接続する方法をおしえてください
この記事では、以上の疑問にお答えします。
AWSのEC2サーバは、実に色々な目的で利用できます。
インターネットに接続してスクレイピングや情報収集、APIの利用などの処理を行うサーバも多数あると思いますが、インターネットにアクセスする場合に、VPN接続したいという状況も、やはりあります。
それはセキュリティ面だったり、接続元のグローバルIPを非公開したい場合や、特定の外国の地域からのアクセスをしたい場合など、様々です。
ある種、プロキシサーバーを経由してインターネットに繋げるような形ですね。
そもそもの疑問として、そのようなVPN接続がEC2サーバ上で可能なのでしょうか?
この記事では、AWS・EC2のサーバからインターネットへVPN接続する方法について、わかりやすく解説しています。
ご参考までに、それではどうぞ。
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目次
この記事のポイント!
- EC2からインターネットへのVPN接続は、VPN接続サービスを利用すればOK
- Linux+コマンドライン制御に対応したVPNサービスを選ぶ必要がある
- 当ブログはNordVPNを推奨、その手順もイチから詳しく解説
【結論】EC2からインターネットへVPN接続することは可能
EC2サーバからインターネットへVPN接続することは可能です。
EC2といっても、そこで稼働しているのは特殊なサーバではなく、Linuxなどの一般的なサーバと同じ扱いです。
あくまで稼働しているのが自前のコンピュータ上なのか、それもとクラウドサービス上のコンピュータなのか、の違いだけです。
そのため、Linuxにインストール可能なアプリ・Linuxで利用可能なサービスはEC2上のサーバからでも利用が可能ということですね。
Linuxに対応しているVPNサービスのアプリを使えば、インターネットへの通信をVPN保護してセキュアにすることが可能です。
現に筆者はEC2上で動かしているAmazon Linuxのインスタンス上にNordVPNをインストールして、外部のインターネットへのセキュアなVPN通信を行っています。
例えば以下のスクリーンショットは、EC2のサーバから大手VPNサービスのNordVPNのサービスを利用して、日本・東京のVPNサーバに接続している状態です。
この状態からコマンドラインで接続先を変更すれば、アメリカやヨーロッパなど、世界各国のVPNサーバに接続することができます。
また、VPNサービスを使うことでIPアドレスを隠すこともできますので、これによってEC2に割り振られたグローバルIPアドレスを秘匿して通信する、ということも可能になりますね。
実際に上記スクリーンショットに表示されているIPアドレスはNordVPNのVPNサーバのIPアドレスで、このEC2に割り振られているグローバルIPアドレスとは異なるものとなっています。
【事実】AWSにもVPNサービスはあるが、用途が異なる
AWSとしては、「AWS VPN」というサービスを提供しています。
AWSで公式にVPNサービスを提供しているのであればこれを利用すれば良いのでは?と思いますが、用途が異なります。
AWS VPNとは
自社データセンターとAWSクラウドの統合目的としてや、リモートオフィスからAWSクラウドへの接続など、企業でのセキュアな通信を確立するために利用される。
AWS VPNと一般的なVPNサービスの違いを、表にまとめてみました。
特徴 | AWS VPN | 一般的なVPNサービス (NordVPN等) |
---|---|---|
目的 | AWSとオンプレミスの ネットワークを安全に接続 | インターネット通信を 匿名化・保護 |
対象 ユーザー | ビジネスユーザーや開発者 | 一般の個人ユーザー |
機能 | VPCとオンプレミスネットワーク間を VPNで暗号化 | インターネット通信を VPNで暗号化 |
サポートする プロトコル | IPsec | 主にOpenVPNやIKEv2など |
規模感 | 企業システム間の 大規模なVPN接続 | 基本的には個人ユーザー向け 企業のユーザ利用もあり |
サービス 提供元 | Amazon Web Services | NordVPNなど、多数の企業 |
今回は「EC2サーバからインターネットへVPNのセキュアな接続を行いたい」というのが目的ですので、AWS VPNのサービスは目的がまったく違うものとなります。
もちろん企業のサーバ運営としてはAWS VPNも重要な仕組みですが、今回は対象外として詳しい解説は省きたいと思います。
【手順】EC2サーバからインターネットにVPN接続する方法
ということで、EC2サーバからインターネットに接続する方法をまとめると、以下のようになります。
- VPNサービスを契約
- EC2サーバにVPNアプリをインストール
- 接続用のアクセストークンを取得
- アクセストークンを設定
- VPN接続が可能に
VPNサービスが必要
EC2からVPN接続をするにも当然ながら、VPNサービスが必要です。
基本的にVPNサービスは有料のものとなり、いずれのサービスも、月額課金での契約が必要です。
(無料のVPNサービスもあるにはありますが、セキュリティ上問題があるものが多く、全くオススメできません。)
有料のVPNサービスとしては多くの選択肢がありますが、当ブログが推奨しているのはNordVPNです。
NordVPNは元々、北欧発のサービスです。
海外のネット利用で個人のプライバシーやデータを守ったり、監視の強い国で安全に通信していくことを目的に、様々な仕組みを多く導入しています。
多彩なOSに対応していて、もちろんLinuxや、EC2のAmazon Linuxにも対応しています。
また、コマンドラインでの実行にも対応しているという点も重要です。
Linuxに対応しており、更にコマンドラインからの操作が可能なVPNサービスはそれほど多くありません。
NordVPNは、その数少ないLinuxでの利用にもしっかり対応したVPNサービスということですね。
その他NordVPNの特徴、およびサービス内容は以下の通りです。
- 59カ国のVPNサーバに接続可能
- 全世界、5419台のサーバを配備
- Windows、Mac、Linux、iPhone、Androidなど、多種多様なOSに対応
- Chrome、Edge、Firefoxなどのブラウザ用拡張機能も提供
- 1アカウントで6端末まで利用可能
NordVPNのオプションや、技術的な特性についてもまとめました。
このように、技術的にも最高水準の安全基準でインターネットが利用できるようになっています。
- AES 256bitの暗号化を使用
- 「IKEv2/IPsec」「OpenVPN」「NordLynx」の3種類のVPNプロトコルに対応
- ノーログポリシー (通信・接続履歴などを記録しない)
- キルスイッチ機能 (VPNサーバと接続が切れた場合にNWを自動停止する)
- 固定IPが取得可能
- 追跡困難な「難読化サーバ」が利用可能
- 「Onion Over VPN」が利用可能
- コマンドラインからのVPN接続の制御
このNordVPN、日本国内でも最近、急激に評判となっており、海外赴任・海外出張での利用も含めてユーザ数が増加傾向にあります。
こちらは、それぞれのVPNサービスの、日本国内での過去5年間の検索数の推移を比較してみたものです。
グラフの青色の線が、NordVPNが検索された回数ですね。
2021年頃までは他の主要VPNサービスと大きな差はなかったものが、ここ1〜2年で急激に検索される頻度が増え、利用者が増えているということがわかりますね。
現在、日本人に最も選択されているVPNサービスだと言えます。
EC2のサーバでも同時6台まではVPN接続を並行して行うことも可能ですし、それ以外でも、自分の作業用端末をVPN接続するために使うということも可能です。
EC2でVPNが利用できるようにする手順
ということで、今回はNordVPNのLinuxアプリを使う前提で、EC2でVPN接続を行う方法をまとめていきます。
NordVPNの契約方法については、こちらの記事でわかりやすく解説していますので、こちらもご参照ください。
NordVPNと契約が完了し、EC2のサーバも用意ができたら、このEC2サーバにNordVPNのアプリをインストールして、設定をしてきます。
こちらの記事はLinux全般の作業方法について解説したものですが、Amazon Linuxでも同様に実行可能です。
作業全体の流れは以下の通りです。
Amazon LinuxでNordVPNが利用可能になるまでの一連の流れ
- EC2でAmazon Linuxインスタンスを立ち上げる
- SSHでログイン
- NordVPNインストール用のシェルを実行
- インストールが自動開始
- 権限付与のコマンドを実行
- Linuxを再起動
- WebからNordアカウントにログイン (別端末でもOK)
- アクセストークンを入手
- Linuxでアクセストークンを入力
- NordVPNが利用可能!
まずEC2でインスタンスを立ち上げて、SSHなどでコンソール操作が可能な状態にします。
そのうえで、公式で提供されているNordVPNのインストール用シェルを実行すれば、アプリのインストールが完了するという、わりかしシンプルな作業の流れとなります。
その他に権限付与や、ログイン用のアクセストークンの取得などの作業も必要ですが、その手順は上記の記事で順々に解説していますので、そちらをご参考ください!
まとめ
以上、EC2からインターネットへVPN接続する方法についての解説でした。
この記事のポイント!
- EC2からインターネットへのVPN接続は、VPN接続サービスを利用すればOK
- Linux+コマンドライン制御に対応したVPNサービスを選ぶ必要がある
- 当ブログはNordVPNを推奨、その手順もイチから詳しく解説
Amazon Linuxでの用途以外にも、6端末まで同時利用可能なので、他のPC端末やスマートフォンなども、一緒にVPN接続が利用可能ですよ。
以上、ご参考までに!
それでは!