VPNについて詳しく解説します
- VPNサービスを利用することで個人情報は守られることは知っているけど、VPN接続していること自体はバレるのか?
- 中国などの検閲の厳しい国で安心してVPNを使う方法はない?
- 難読化サーバという仕組みを使うとVPN接続していることがバレないというのは本当?
- その難読化サーバの接続方法を具体的に教えてほしい
この記事では、以上の疑問にお答えします。
プライバシーやデータを守るためにVPN接続を利用することが、広く一般的になってきました。
この記事を書いているぼく自身も、海外に長期間滞在することが多く、その際はVPNサービスを使って国内サービスを利用しています。
ネットカフェやホテルのWiFiなどは、日本と比べて危険度が高いため、自分自身を守るためにも、VPNサービスを利用している格好です。
また、検閲やネット規制が厳しい国から日本国内や海外のサービスを利用するために、海外でVPN通信を利用するということも、かなり一般的になってきていますね。
ただし国によっては、VPN接続自体を規制、禁止している国もあり、そのような国や地域でVPNサービスを利用するのは、やはりリスクを伴います。
VPN接続をしていること自体を隠すことが可能なら、それを使うに越したことはないですよね。
この記事では、VPN接続していること自体を隠す「難読化サーバ」について解説します。
海外赴任・海外出張などで渡航される際は、参考にしてみてください。
最終的な利用は、皆様の責任にてお願いいたします。
- 前職はインフラエンジニアのWebライター
- プライベート・仕事の両方で毎日VPNを利用
- VPN利用歴4年
- VPNで通信を安全に使う方法をブログで広く解説
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目次
この記事のポイント!
- VPNを使っていることは、プロバイダーと当局にバレる
- VPNが規制されている国では「難読化サーバ」接続が必須
- 難読化サーバはNordVPNで利用可能
【通常のVPN】位置情報や通信内容はバレなくても、VPNを使っていることはバレる
さて、改めて。
VPNを利用している事自体は、プロバイダーや当局にバレます。
インターネットへは通常、プロバイダーを経由して接続するわけですが、ここでプロバイダー側は「VPNを利用しているかどうか」の判別をすることが可能です。
VPN通信をしている場合、基本的な個人情報や入力したデータなどは、VPN接続によって部外者に漏れる可能性は極めて少なくなります。
VPN接続で守られる情報
- IPアドレス
- 位置情報
- 検索履歴・閲覧履歴
- 入力したパスワード
- 送信したデータの内容
- 個人情報
しかし、こうしたVPN通信の中身は閲覧されなくとも、「VPN接続しているよ」ということ自体は、流れている通信を見ればプロバイダー側はわかってしまうわけですね。
日本など、VPNの利用が合法的で規制されているわけではない国であれば「VPN接続しているよ」ということ自体は、それほど問題とはなりません。
VPN接続で守られない情報
- VPNに接続しているかどうかの有無
「VPNを使っていること」が問題になるパターン
問題になるのは、VPN接続自体を規制・違法としている国の場合です。
こうした国々では、通信内容の良し悪しに関わらず、VPN接続して、通信内容を暗号化することを禁止しています。
VPN利用を違法・制限している国としては、以下が挙げられます。
- 中国
- ロシア
- ベラルーシ
- 北朝鮮
- イラン
- イラク
- トルクメニスタン
- エジプト
- オマーン
- トルコ
- UAE
- シリア
見ての通り、多くは国民の自由を制限する独裁系国家です。
この中でも中国やロシア、UAEなどは現在でもビジネスで訪れる人も少なくないでしょうから、これらの国に赴任・出張する方は、注意が必要です。
特に昨今の世界事情からも、海外に赴任している日本人があらぬ容疑をかけられて一方的に拘束・逮捕されるというニュースも出ていますから、そうした国に赴任・出張する際は、用心するに越したことはありません。
(本人に何も非がなくても、政治的な理由で人質として拘束されてしまう可能性もある、ということです。)
それぞれの国ごとに、VPN禁止の程度には違いがあり、「完全に違法」としている国もあれば、「認められたサービス以外は禁止」だったり、「制限付きで利用可能」だったり、という差があります。
上記の主要な国家だと、以下のような形です。
- 中国:認可されたVPNサービス以外は利用禁止 (VPN自体は合法)
- ロシア:認可されたVPNサービス以外は利用禁止 (VPN自体は合法)
- UAE:道義的に反する利用のみ禁止(ポルノ視聴など)
とはいえVPN接続をしているというだけで逮捕されるということは、ほぼありません。
政治体制を批判するだとか、海外からの情報をその国内で拡散するだとか、そうした危険な活動をしない限りは、VPNサービスを利用していた逮捕されたというケースは、ほとんど無いようです。
【対策】難読化サーバを利用する
穏当な利用方法であれば大丈夫だろう…とはいえ、本当に大丈夫だという保証は誰にも出来ません。
可能な限り安全に通信する方法として、「難読化サーバ」という技術を使って、VPN接続していること自体を隠すことが可能です。
難読化サーバというのは、VPNを利用しているものの、通常の通信を行っているようにみせて通信するという偽装の手段です。
VPNを利用していない普通の通信のように見えるので、プロバイダー側にもそれがVPN通信なのかどうかわかりませんし、各国の当局にも、VPN通信なのかは判別できない、というわけです。
この難読化サーバという技術は、上記のような国や地域で通信を安全に利用して活動するために生み出された技術です。
日本だとあまり想像が付きませんが、国によってはジャーナリストや活動家には危険が伴っていることが多く、こうした人達の活動を支援するために発明されたのが、このVPN通信をしているかどうかを判断できなくさせる難読化サーバという仕組みなのですね。
そうしたこともあって幸せなことに、日本国内や一般的な民主主義国家では、難読化サーバを使う場面はほとんどありません。
こうした国々で難読化サーバを使ってVPN接続したい場合は、入国する前に事前にサービスの契約とインストールを完了させておきましょう。
また、難読化サーバへの接続方法も、入国前に事前に確認しておくことをオススメします。
【方法】難読化サーバを利用するには
この難読化サーバの仕組みは、北欧系サービスのNordVPNで提供されています。
NordVPNは欧州の厳しいプライバシーの基準に則っている、ノーログポリシー(VPN内の通信記録を残さない)として世界中から利用されている大手VPNサービスです。
通信の自由がない国でも安心してVPN通信が可能なように手を尽くすというポリシーを持ったサービスで、難読化サーバのような安全な仕組みを多く導入しています。
このNordVPN、日本国内でも最近、急激に評判となっており、海外赴任・海外出張での利用も含めてユーザ数が増加傾向にあります。
こちらは、それぞれのVPNサービスの、日本国内での過去5年間の検索数の推移を比較してみたものです。
青色の線がNordVPNが検索された回数ですね。
2021年頃までは他の主要VPNサービスと大きな差はなかったものが、ここ1〜2年で急激に検索される頻度が増え、利用者が増えているということがわかりますね。
2023年時点で、日本人に最も選択されているVPNサービスだと言えます。
【手順】NordVPNで難読化サーバに接続する方法
ここでは、実際にNordVPNで、難読化サーバに接続する方法までを解説します。
各項目の場所を置き換えて、お読みください。
まずはNordVPNのアカウントと契約が必要です。
登録がまだという方は、こちらのリンクからどうぞ。
こちらがNordVPNアプリのトップ画面です。
左側のメニューに「特殊サーバー」という項目がありますが、デフォルト状態ではここに難読化サーバがありません。
まずは設定アイコンをクリックして、設定画面を開きます。
環境設定の「一般」を開くと、「VPNプロトコル」という項目があります。
ここの「推奨プロトコルを使用する」をクリックして、メニューを開きます。
いくつか項目が出てきますが、ここでは「OpenVPN(TCP)」を選択します。
この状態でトップ画面に戻りましょう。
この通り、特殊サーバーの項目に「難読化サーバー」が追加されているはずです!
あとはここをクリックするだけ!
これで、難読化サーバに自動的に接続されました。
違いが少々わかりづらいですが、これでVPN接続しているのかそうでないのか、プロバイダー側には判断できない状態に偽装されています。
ただ、難読化サーバに接続すると、なぜか毎回、日本以外の別の国にランダムで接続されてしまうようです。
もし、レイテンシーやPingのことを考えて日本のサーバに接続したい、または近場の国に接続したい、という場合は、国の指定も可能です。
「難読化サーバー」の右側の「…」をクリックしましょう。
このように、難読化サーバが用意されている国の一覧が表示されます。
ここで「Japan」を選べば、日本国内の難読化サーバに接続先が変更されます。
難読化サーバが用意されている国一覧
最後に、難読化サーバが用意されている国を一覧にまとめましたので、こちらもご参考ください。
通信速度などを考えると、接続する国の近隣の難読化サーバを選んで接続するのが良いかと思います。
日本国内でしか使えないサービスを使いたいという場合は、日本を選んで接続するようにしましょう!
- カナダ
- フランス
- ドイツ
- 香港
- イタリア
- 日本
- オランダ
- ポーランド
- シンガポール
- スペイン
- スウェーデン
- スイス
- トルコ
- UAE
- イギリス
- アメリカ
まとめ
以上、VPN接続していること自体はバレるのかどうか、そしてその回避方法について、でした。
この記事のポイント!
- VPNを使っていることは、プロバイダーと当局にバレる
- VPNが規制されている国では「難読化サーバ」接続が必須
- 難読化サーバはNordVPNで利用可能
記事中でもお伝えしましたが、VPNアプリのダウンロードは、規制されている国に入国した後ではダウンロードすることはできません。
利用を考えているのであれば、必ず渡航前に日本国内でサービスの契約&アプリのインストールまで完了しておきましょう。
そして、難読化サーバへの接続まで問題なく動くかどうか、実際にパソコンやスマホに入れて動作確認しておくことをオススメします。
以上、ご参考までに。
それでは!