- Power Automate Desktopで受信メールを取得したい
- 取得した受信メールをExcelで分析したい
- いつも読んでいるメルマガを別で保存したい
この記事では、以上の疑問にお答えします。
Power Automate Desktopでは、メール業務のほとんどを自動化できます。
自動送信はもちろん、特定のメールに対する自動返信も可能です。
しかし、受信したメールに対しても自動処理ができることをご存じでしょうか。
そこで当記事では、受信メールに対する処理としてExcelに転記する方法を解説します。
この方法を使えば、いつも購読しているメルマガをExcelで別管理したり、コールセンター業務などでよく来るお問い合わせ内容をExcelで分析したりできるようになります。
ぜひ1度読んでみてください。
なお、Power Automate Desktopの利用方法・起動方法は、以下の記事をご覧ください。
目次
【前提】受信メールを取得してPower Automate Desktopができること
取得した受信メールでPower Automate Desktopができることは以下になります。
- 受信メールをExcelやテキストファイルに転記
- 既読や未読に切り替え
- ゴミ箱やフォルダに移動
普段、上記作業のほとんどをマウスで行っていますが、これが100通や200通となってくるとかなり時間がかかるのではないでしょうか。
Power Automate Desktopなら、この手作業を一瞬でできるようになります。
今回は、Gmailを使って受信メールをExcelに転記してみましょう。
【ステップ①】各種設定を行う
では、実際にGmailで受信メールを取得してみます。
メールアクション欄にあるメールメッセージの取得を中央にドラッグアンドドロップしてください。
画面が切り替わります。
ここで行う設定は大きく分けて、IMAPサーバーとメールフィルターの2つです。
IMAPサーバー
まずはIMAPサーバーの設定です。
普段、私達が見ているメールはGoogleのIMAPサーバーで管理されています。
そこでIMAPサーバーにアクセスする必要があるので、以下のように入力してください。
項目 | 内容 |
---|---|
IMAPサーバー | imap.gmail.com |
ポート | 993 |
SSLを有効にする | オン |
ユーザー名 | 自分のアカウント |
パスワード | アプリパスワード |
信頼されていない証明書を受け入れます | オン |
注意点としては、パスワードはGoogleアカウントのパスワードではなくアプリパスワードです。
アプリパスワードの取得方法については、下記の記事でも解説しています。
メールフィルター
次にメールフィルターの設定です。
設定できる内容は以下になります。
項目 | 内容 |
---|---|
メールフォルダー | 取得したいメッセージが入っているラベル |
取得 | すべて・未読・既読の3種類が選べます |
開封済みにする | 処理したら開封済みにするかどうかを設定できます |
“送信元”フィールドに次が含まれる | 送信者の名前 |
“送信先”フィールドに次が含まれる | 送信先のメールアドレス |
“件名”フィールドに次が含まれる | 件名に含まれる内容 |
“本文”フィールドに次が含まれる | 本文に含まれる内容 |
添付ファイルを保存します | オンにするとフォルダの指定があり、指定先のフォルダに添付ファイルが保存されます |
メールフォルダはGmailのラベルを指定します。
もしネストしたラベルを指定したい場合は、◯◯/◯○とスラッシュで区切って入力してください。
【ステップ②】取得した受信メールを確認する
設定ができたら、実際に取得してみましょう。
すると以下のようになっています。
今回は私が読んでいるメルマガを取得してみました。
詳細表示をクリックすると、さらに以下のプロパティが確認できます。
プロパティ | 内容 |
---|---|
.Attachments | 添付ファイル |
.Body | HTML形式の本文 |
.BodyText | プレーンテキストの本文 |
.Cc | Cc |
.Date | 送信日 |
.From | 送信元 |
.MailFolder | そのメールが入っているフォルダ(ラベル) |
.Subject | 件名 |
.To | 受信元 |
なお、取得したメールにはRetrievedEmailsというリスト型の変数が設定されます。
【ステップ③】取得したメールをExcelに転記する
では、いよいよ取得したメールをExcelに転記してみましょう。
【ステップ③-1】Excelを起動する
Excelアクション欄にExcelの起動をメールメッセージの取得より下にドラッグアンドドロップしてください。
画面が切り替わります。
Excelの起動欄は、空のドキュメントを使用のままにしておきます。
生成された変数として、ExcelInstanceが設定されたのを確認します。
【ステップ③-2】Excelの行数として変数を設定する
次に変数アクション欄による変数の設定をドラッグアンドドロップしましょう。
画面が切り替わります。
変数としてNewVarが設定されるので、値を3にしました。
この数字は最初の内容を転記する行になります。
行数を変数に設定し、1つのメール内容を転記するごとに変数を1ずつ増やせば、転記するセルが1行ずつずれるようになります。
【ステップ③-3】For Eachで繰り返し処理を設定する
次にループアクション欄からFor Eachをドラッグアンドドロップします。
画面が切り替わります
反復処理を行う値欄にRetrievedEmailsを設定します。
また、保存先としてCurrentItemが設定されたのを確認します。
【ステップ③-4】プロパティを使って、Excelに転記する。
For EachとEndの間にExcelワークシートを書き込むをドラッグアンドドロップしましょう。
画面が切り替わります。
今回書き込むメールの内容は以下とします。
- 送信日
- 件名
- 本文
これを踏まえて、以下のように入力してください。
項目 | 入力する内容 |
---|---|
Excelインスタンス | %ExcelInstance% |
書き込む値 | %CurrentItem.プロパティ% |
書き込みモード | 指定したセル上 |
列 | 2 |
行 | %NewVar% |
書き込む値では、CurrentItemの後にステップ②で紹介したプロパティを入力します。
たとえば送信日であれば、%CurrentItem.Date%になります。
行欄には、先ほど設定したNewVarを入力してください。
あとは件名(.Subject)と本文(.BodyText)の分も同じように入力します。
【ステップ③-5】変数を増やす
全ての転記が終わったら最後に変数を増やしましょう。
この処理をしないと、NewVarに設定した3行目にずっと転記し続けます。
最後に変数を1増やすことで、1行ずつズラしながら転記していきます。
変数アクション欄にある変数を大きくするをEndの上にドラッグアンドドロップします。
画面が変わります。
変数名にはNewVarを入力し、大きくする数値には1を入力して保存します。
ここまでできたら、中央は以下の画像のようになります。
では実行してみましょう。
すると、以下のようにExcelができあがります。
受信メールをExcelに転記できました!
あとは見出しをつけるなりして保存しておきます。
まとめ
以上、受信メールをExcelに転記する方法について解説しました。
今回はメルマガを転記してみましたが、アイディア次第でいろんな業務が効率化できると思います。
ぜひ試してみてください。