ちょっと久しぶりにExcel Tipsについての話題。 あまり知られてない・使われていないものの、実はかなり役に立つ「トレース機能」についてです。
Excelをちゃんとした表計算のツールとして使ううえではかなり有用なこの機能について、紹介しておきます。
トレース
トレース機能というのは、Excelのセル間の参照元や参照先へのリンクを、視覚的に確認できるようにそれぞれのセル間に矢印のマークを表示させる機能です。
例えばB4のセルがB3を参照して計算をしている場合、B4セルからB3セルへと矢印を自動的に表示することで、どのセルからどのセルへの計算が設定されているのかを一目で判断できるようになるということです。
参照元のトレース
とりあえず、実際の画面を見てみた方が手っ取り早いですね。 設定方法について紹介していきます。
視覚的にわかりやすいように、このような感じで表を作ってみました。 だいたい見てもらえばわかるように、元データAを「B3」へ、元データBを「D3」に入力。
そしてB3とD3のデータを、それぞれ「F3」と「F8」が参照しています。
トレースの設定方法
実際にトレース機能をONにしてみましょう。
まずはリンク先を確認したいセルを選択した状態で、Excel画面上部のメニュー「数式」から「参照元のトレース」を選択します。
ここでいう「参照元」というのは、選択しているセルが参照しているセルという意味です。
Excel2003の場合は「ワークシート分析」という画面からこの操作ができるようですね。
さて、実際に設定してみると、こんな感じでセル間で矢印が表示されるようになります。 これが参照元へのトレースです。 視覚的に、どこのセルに結びついているのかがわかるようになりますね。
参照先のトレース
参照先のトレースは、先ほどの逆。 ここでの「参照先」は選択しているセルを参照しているセルのことです。
ちょっと言い換えると、選択したセルはどこのセルに参照されているのかを調べるときはこのトレースを使います。
トレースの設定方法
設定方法はさきほどとほぼ同じで、画面上部のメニュー「数式」から「参照先のトレース」を選択です。
D3の参照先をトレースしてみた場合の画面がこちら。 F3とF8に矢印が伸びているので一目瞭然というわけです。
動画
※当機能は現在ベータ版です。 予告なく公開終了する場合があります。
まとめ
- セル間のリンクを視覚的に確認できる「トレース機能」
- 「数式」から「参照元(参照先)のトレース」で設定可能
- 複雑な表計算でリンク先を確認する際に重用する
今回はすごくシンプルな絵で機能を説明したけども、本来はかなり入り組んだ計算表などで威力を発揮する機能です。 どのセルの数値が、どのセルに影響していて、どういった数式が組まれているのか…それを、頭の中で展開して理解するのはかなり大変ですよね。
そういったときにめちゃくちゃ役立つ機能、と覚えておけばOKです。