VPNについて詳しく解説します
- スタバのWiFiを仕事や業務で使っているのだけど、これって大丈夫ですか?
- スタバのフリーWiFiのセキュリティレベルを知りたい
- フリーWiFiを安全に使うための対策を教えてほしい
この記事では、以上の疑問にお答えします。
スターバックスでPCを開いて仕事をするのは、今では日常の一コマとして定着しています。
筆者も長年フリーランスとして働いていますが、外出先などでスターバックスに寄り、コーヒーを飲みながらよくお仕事をしています。
しかし、こうした仕事をする上で、外に漏れてはいけない情報、機密性の高い情報を扱うことも、きっと少なくないはずです。
そうした際に気になるのが「スターバックスのフリーWiFiって、安全なんだろうか…」という点です。
この記事では、スターバックスのフリーWiFiのセキュリティレベルと、ハッキングから身を守る自衛方法についてまとめました。
フリーランスの方、会社員の方、自分のプライバシーが気になる方…
スターバックスのフリーWiFiを使っている方は、ぜひ当記事を参考にしてみて下さい。
目次
この記事のポイント!
- スタバのフリーWiFiは一般的なWiFiと同レベル・暗号化されていない
- どんなフリーWiFiでも基本的には自衛が基本
- VPNサービスで暗号化することで、フリーWiFiのリスクは大幅に下がる
【結論】無防備なままWiFiに接続するのはリスクがある
結論からいうと、スタバのフリーWiFiも通常のフリーWiFiと同様、無防備で接続するのは危険です。
そのため、重要な情報を扱ったり、ビジネスで使う場合には、VPNサービスを使うなどして自衛する必要があります。
基本的にフリーWiFiというものは、1つのネットワークに複数人のユーザ(デバイス)が接続する形式となります。
そのため、その複数人の中に悪意のある利用者(ハッカー)がいた場合、データの傍受や盗難、攻撃などのリスクがあります。
そうした悪意のある利用者の数はもちろん多くはないですが、このご時世、確実にゼロだとは言い切れないところにリスクがあります。
フリーWiFiに無防備な状態でパソコンやスマホなどを接続した場合、以下のようなリスクが発生します。
フリーWiFiで発生するリスク (発生率の高い順)
- 通信データや通信内容の傍受
- 共有されているフォルダなどへのアクセス
- 偽のフリーWiFiへの接続を誘導
- 中間者攻撃 (通信に割り込んで通信内容を盗む)
一番多いのは「通信データや通信内容の傍受」です。
通信を盗もうとしているハッカーが同じフリーWiFiのネットワークに接続していると、特殊なツールを使うことで、別の利用者の通信内容を盗み見ることが出来てしまいます。
盗まれる可能性があるデータとしては、以下のようなものが含まれます。
- 氏名や住所などの個人情報
- Webサービスやネットバンクのログイン情報
- クレジットカードの番号
- プライベートなメール、チャットの内容
- どのようなサイトを見ていたかの履歴
- 業務上のメールや文書、ファイル
これは、スターバックスのフリーWiFiであっても同様です。
スターバックスの公式サイトを実際に確認してみると以下のように書かれており、暗号化されたフリーWiFiではないため、セキュリティについては自分で守る必要があると記載されています。
◆ セキュリティに関して
「at_STARBUCKS_Wi2」の無線LANは暗号化しておりませんので、秘匿性の高い情報を送受信する場合には、セキュリティを確保するSSLやインターネットVPNなどを用いて通信内容を保護することをお勧めします。
つまり、スターバックスのフリーWiFiは、以下のような形です。
悪意あるハッカーと同じNW環境の接続する形に、なってしまうわけですね。
スターバックスは日本各地に店舗がありますし、ホテルなどと比べても格段に不特定多数のユーザが集まりやすい場所です。
スタバでPCを使って作業をするという人も多いですから、こうした場所にビジネスや業務の機密情報を持ち込んで作業しているという人も、少なくないでしょう。
つまり、スターバックスのようなカフェのフリーWiFiは、狙われやすい場所でもある、ということです。
【図解】スタバのフリーWiFiはこうなっている
もう少し、スターバックスのフリーWiFiについて詳しく見てみましょう。
- KDDIグループの株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス社が運営するフリーWiFiサービス
- すべて無料で利用可能
- メールアドレス等の登録無しで誰でも利用可能
- 無線LANは暗号化されていない
- 複数デバイスで接続可能
実際にスターバックスのWiFiに接続する際の画面は以下の通りです。 (スマートフォンでも画面は基本的に同じです)
まずWiFiに接続すると、このようなという画面が出てきます。
「インターネットに接続」をクリックすると、次の画面に進みます。
次の画面では、スターバックスのフリーWiFiサービスの利用規約の同意画面が表示されます。
この利用規約同意の画面は2016年以降、すべてのスターバックスでログイン時に表示されるようになっています。
この画面で「同意する」をクリックすることで…
このようにスタバの画面が表示され、フリーWiFiに接続が完了します。
画面右下のボタンが「完了」と出ていれば、接続完了の合図です。
(ちなみにこの画面は2023年9月の「おさつバターフラペチーノ」の商品ページです)
スターバックスのフリーWiFiのセキュリティレベル
さて、すでにお伝えした通り、スターバックスのフリーWiFi自体は暗号化されていません。
基本的には、カフェやホテルのフリーWiFiと同等の、ごく普通のフリーWiFiと考えて良いでしょう。
先程の上記の画面で、利用規約の同意などの画面がありましたが、これはあくまで「利用者に規約への同意を求める」という画面です。
そのため、この規約同意画面があるからセキュリティのレベルが高くなる、という訳ではないのですね。
スターバックスのフリーWiFiの利用規約
スターバックスの利用規約についても確認してみました。
概要をまとめると、以下の通りです。
○○とは
- 青少年保護の観点から、アダルトサイトなどの接続はフィルタリンクされ、制限されている場合がある
- 通信帯域は限られており、大量のデータ通信を行った場合、そのユーザの通信を制限する可能性がある
- 禁止事項として「法令に違反する行為」「第三者になりすます行為」「不正アクセスなどの不法行為」「ウィルスなどを使用・提供する行為」等を挙げている
- これらの禁止事項を行った場合、利用を制限することがある
- これらの禁止事項を行って損害が発生した場合、法的責任を負うものとする
いたって一般的な利用規約ですね。
フリーWiFIを提供する企業としては、「禁止事項の明示」「通信の制限」など、あくまで一般的な内容が記載されています。
【対策】VPNサービスで通信を暗号化しよう
個人でできる対策としては、VPNサービスを利用して通信を暗号化するのが最も簡単で、そして確実です。
VPN接続とは
通信をすべて暗号化するので、同じネットワークにいるハッカーなどは傍受が非常に困難となる。
VPN接続サービスを使うとこのように、皆さんのデバイスからインターネットまでの通信をそのまま暗号化してつなぎます。
ハッカーがたとえ同じネットワーク内に居たとしても、デバイスからインターネットまで暗号化されているため、データを盗むことが非常に困難になります。
(理論上は暗号化した通信を解読することは可能なのですが、解読することは非常に難しく時間もかかるため、ほぼ不可能なレベルまでデータを守れるといってもいいでしょう。)
VPN接続をすることで、以下のような情報やデータを盗聴から守ることができます。
VPN接続で守られる情報
- IPアドレス
- 位置情報
- 検索履歴・閲覧履歴
- 入力したパスワード
- 送信したデータの内容
- 個人情報
これらの個人情報や、業務上の重要なデータなどを取り扱う場合、フリーWiFiを使う際にVPN通信で暗号化することは基本中の基本です。
目に見えないものなのでわかりづらいですが、無防備な状態で通信をしているデバイスから真っ先に狙われます。
VPNで暗号化しているというだけで、ハッカーからすると「ほぼ手出しできない状態」「解読しようとするにもコストに見合わない」ことになります。
つまり、VPNサービスを使うことで、フリーWiFiを大幅に安全に利用できるようになります。
オススメはNordVPN
こうしたVPNサービスですが、無料ではなく有料サービスを利用することを強く推奨します。
無料のVPNサービスも存在しますが、これらのサービスは出所が怪しいものも多く、逆にこうしたVPNサービスを利用することで個人情報や閲覧履歴などが抜き取られてしまう可能性もあります。
せっかくセキュリティを高めるためのVPNなのに、無料のサービスを使ったがゆえにそこから情報が流出してしまってはまったくの逆効果ですよね。
当ブログでは、有料VPNサービスの中で「NordVPN」をオススメしています。
NordVPNは元々、北欧発のサービスです。
海外のネット利用で個人のプライバシーやデータを守ったり、監視の強い国で安全に通信していくことを目的に、様々な仕組みを多く導入しています。
NordVPNは国内利用者も増加中
このNordVPN、日本国内でも最近、急激に評判となっており、海外赴任・海外出張での利用も含めてユーザ数が増加傾向にあります。
こちらは、それぞれのVPNサービスの、日本国内での過去5年間の検索数の推移を比較してみたものです。
グラフの青色の線が、NordVPNが検索された回数を示しています。
2021年頃までは他の主要VPNサービスと大きな差はなかったものが、ここ1〜2年で急激に検索される頻度が増え、利用者が増えているということがわかります。
NordVPNは現在、日本人に最も選択されているVPNサービスです。
NordVPNの特徴、およびサービス内容も以下の通り、まとめておきますね。
- 59カ国のVPNサーバに接続可能
- 全世界、5419台のサーバを配備
- Windows、Mac、Linux、iPhone、Androidなど、多種多様なOSに対応
- Chrome、Edge、Firefoxなどのブラウザ用拡張機能も提供
- 1アカウントで6端末まで利用可能
NordVPNのオプションや、技術的な特性についてもまとめました。
このように、技術的にも最高水準の安全基準でインターネットが利用できるようになっています。
- AES 256bitの暗号化を使用
- 「IKEv2/IPsec」「OpenVPN」「NordLynx」の3種類のVPNプロトコルに対応
- ノーログポリシー (通信・接続履歴などを記録しない)
- キルスイッチ機能 (VPNサーバと接続が切れた場合にNWを自動停止する)
- 固定IPが取得可能
- VPN利用を特定困難にする「難読化サーバ」が利用可能
- 世界最高水準の匿名性で通信する「Onion Over VPN」が利用可能
- コマンドラインからのVPN接続の制御
まとめ
以上、スターバックスのフリーWiFiの安全性と、自衛方法についてでした。
この記事のポイント!
- スタバのフリーWiFiは一般的なWiFiと同レベル・暗号化されていない
- どんなフリーWiFiでも基本的には自衛が基本
- VPNサービスで暗号化することで、フリーWiFiのリスクは大幅に下がる
スターバックスは一流企業ですが、それでもやはり、提供されているフリーWiFiは一般的なレベルのものです。
これはスターバックスに限らず、どのような企業であっても、フリーWiFiのセキュリティレベルは似たようなものだと思っていたほうが良いでしょう。
そのうえで、フリーWiFiをビジネスで使うのであれば、自分自身の手でセキュリティを守る必要があります。
今や、セキュリティは自分で守らないと、全く知らないところでお仕事のデータが盗まれる・流出する可能性があるような時代です。
月額数百円でフリーWiFiの脅威のほとんどが回避できるのだから、必要経費だと、ぼくは思います。
以上、ご参考までに。
それでは!