【読みました】日本とどこか似ている北欧の国の話。「日本はスウェーデンになるべきか」


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以前にIKEAの社内制度についての本を読んだ流れで、このような本を読んでみました。

日本と似ていて勤勉でシステマチックな政治を好む、しかし本質はどこか異なるこの国スウェーデンの国内の制度や政治、歴史についてだいぶ詳しくまとめられた書籍です。 スウェーデンという社会を理解するうえではかなり参考になる感じ。

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日本はスウェーデンになるべきか


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内容

  • スウェーデンという国
  • スウェーデン人の本質
  • スウェーデンの男女平等
  • スウェーデンの社会保障
  • スウェーデン企業の競争力
  • スウェーデンの外交と歴史

2008年のスウェーデン公使の筆者による、スウェーデンという国の分析についての書籍。 スウェーデンの持つ特有な点(ヨーロッパに位置するがEUに加盟していない、2世紀にわたって戦争を経験していない等)を紹介しつつ、社会制度についてかなり詳しく説明されてます。

男女平等の政治

スウェーデンでは 男女平等の話題がかなり多めに話題が出てくる。 確かに男女平等というのは重要な部分ではあるのかもしれないけど、スウェーデンでの男女平等の政治についてはなんというかこれは目くじらを立て過ぎという感じもする。 よく言われる「声の大きいフェミニスト」が頑張りすぎてるんじゃないかしら。

スウェーデンの横断歩道の標識には、男性が大股で(スウェーデン人にとっては普通か?)渡っている図が描かれており、この男性はなぜか「ゴーマンさん」と呼ばれ、長年国民に親しまれている。

しかし、「横断歩道を渡るのはなぜ男性だけなのか」と、交通標識にも男女平等を求める声が強くなり、「ゴーマン夫人」の誕生をめぐって、足かけ3年の論争が行われた。

2009年6月、スウェーデン第3の都市マルメでは、驚くべき決定がなされた。

女性だけ上半身に水着を着けなければならないのは男女平等に反するとの主張が通り、市議会は、同市の室内プールでは女性は上半身に水着を着るか着ないか自由であると決定したのである。

更にスウェーデンでは企業は女性と男性の役員数を同じにするように…という制度を義務付ける、付けないでの議論が交わされているらしい。

僕個人の意見からすれば、本当に優秀で男女間に能力の差がないのなら、わざわざ義務付けてまで雇用数を合わせる必要があるのか? と疑問に思うところなんだけど、話がズレるのでこの辺でやめておこうかな。

年金の明確さはすばらしい

くどすぎる男女平等と反して、やはり合理的だと思ったのは年金のシステム。 日本の年金制度につきまとう、支払と支給額の不明なブラックボックスさのない、透明性のあるシステムになっているらしく、ここは手放しですばらしい面だなと感じますね。

スウェーデンの年金制度の最大の特徴は、一人ひとりの現役の労働者が自分の所得の18・5%に固定された年金保険料を毎年納めることによって、退職後の年金受給権が段々増えていくことを確認できるというダイレクトな関係が設定されていることである。

そこには、将来の年金保険料がいくらに増額されるかわからない、また、定められた保険料を支払ってもブラックボックスの中に入ってしまって、将来いくらもらえるかわからないというような不安はない。毎年集められた年金保険料は、年金受給権という形でその年のうちに各人に配られるのである。これにより、国民の勤労意欲を高めようとしているのであろう。

筆者の描いているとおり、日本の年金制度のような将来いくら貰えるのかわからないという不安があるなかで勤労意欲が湧いてくるか? というと、残念ながら疑問しかない。

 

ただ、こういった制度への改革が一朝一夕で行われたというわけではなく、異なる与党・野党間でも社会保障の制度の改革と大筋について、明確に同意がとれた上でその時の与党が改革に乗り出している、というのが大きなポイント。

この検討プロセスには、15年にわたる長い時間が費やされたということの他に、ポイントがある。それは、主要全政党が検討プロセスに参加したことである。

これにより、年金問題が政争の具に供されることはなく、安定した制度が構築された。

つまり改革の間に政党が変わっても方針がフラフラしないようになるということ。 日本の政治のように、政党が変わったら正反対の改革が始まっていったりきたりのまま年月だけが過ぎていく、というような茶番は起きないようになっていたということ…。

この点こそが日本とスウェーデンでハッキリとした違いであり、日本がいつまでたってもグダグダの社会保障のまま突き進んでいる理由なんじゃないかな。

非常に詳しいデータが並んでる

その他にもスウェーデンとその他国家との国際支援などについても語られてる。 国際支援の精神は、その国が豊かであるうえではじめて成り立つという考え方があるようで、これにはとても共感してしまう。 国内の社会福祉に不満が頻出している反面で対外諸国に支援をふんだんにするような政治を、誰が納得できるのか…という話です。

(日本としては、海外諸国との交渉カードとしての支援の面が強いので、一概には言えないのだけど。)

本書の内容は全体的に具体的なデータを提示するものが多いので、スウェーデンの政治の詳細を調べる分にはかなり有用な資料といえるのだけど、企業が負担する社会保険料が労働コスト全体に占める11%…などといった具体的すぎる値ばかり並ばれても個人的には眠くなってしまった。 具体的なデータ部分は割と読み飛ばしました。 スンマセン。

特にスウェーデンの歴史部分について、もうイヤになるくらい詳しく書かれてます。 スウェーデンの歴史を調べるうえではかなり有用な書籍といえるかもしれない。 僕は、歴史のセクションも読んでて眠くなりましたが(笑)

まとめ

  • スウェーデンという社会について詳しく知ることができる
  • 男女平等が最も進んだ国
  • 年金制度は日本が大いに見習う必要がある、理想的な制度
  • 具体的なデータや数値が多い 調べ物には使えるかも

この本のタイトルである「日本はスウェーデンになるべきか」という部分だけど、筆者なりの答えはほとんど描かれてなかったところはちょっとだけ気になった。 答えは読者に委ねるということなのかもしれないけど、本書ではデータを淡々と述べるに留まってたので、筆者さんの意見ももうちょっと聞きたいなあ。

 

僕個人の意見だと、スウェーデンという国の制度、風潮はとてもすばらしいものがある。 けど、ときにこれは息苦しく感じる事もあるんじゃないかと思った。 でも、年金の制度や改革の進め方についてだけは、明確に「日本はスウェーデンになるべき」だ!

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