【読みました】その商品よりも素晴らしかった、理念とその社内制度について。 『イケアはなぜ「理念」で業績を伸ばせるのか』


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イケアについては結構何度か記事で話題にしてますね。 そんなイケアについての企業の部分にフォーカスした文庫本があったので、読んでみました。

もとからイケアという企業の商品は、Expeditを中心にかなり気に入っていたのだけど、この本を読んでからは更に「企業として」好きになりましたね。 日本人や日本企業の経営者にも読んで欲しい本だと思います。

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イケアはなぜ「理念」で業績を伸ばせるのか


Amazon.co.jp: イケアはなぜ「理念」で業績を伸ばせるのか (PHPビジネス新書): 立野井 一恵: 本

内容

描かれている内容をざっくりわけるとこんな感じ。

  • イケアの理念について
  • 理念に共感する人材を集めていることについて
  • 社員を幸せにするための制度について

本のタイトルになっているというだけあって、このイケアの理念というのが何度も繰り返しでてきます。 第一章で説明された理念について繰り返し何度も説明しているような感じも受けるけど、一般的な企業にありがちな「スローガンとしてだけの理念」じゃなくて、ちゃんと社内制度に落とし込まれているところが見事な点なので、繰り返し説明されているのもそんなに違和感ないですね。

イケアがどうして成功していて、どこがすごいのかというと、国によってやり方を変えているわけではなく、一環したやり方で各国に根付いてるということ。 イケアの方針がワールドワイドで通用するという前提のもと、あえて国ごとにフォーカスして企業を変えずに成功しているという稀有な事例がここで説明されてます。 イケア・ジャパンの人事担当者や各店のマネージャについてのインタビューも収録。

書かれている情報としては結構新しいもので、2014年4月に刊行されたばかりということでつい最近新しくオープンした東京都立川市の7号店についても軽く触れられてます

どうやら、さらに2014年秋頃には宮城県仙台市に8号店がオープン予定、さらに広島県広島市、群馬県前橋市に店舗が今後オープン予定ということで、2015年度には国内に10店舗がオープンする予定なのだとか。

求めるのはあくまで「イケアの理念に共感する人間」

本を通して呼んでで何度も出てくるのがイケアの理念に共感しているという人間を採用しているということ。 実際にイケア・ジャパンでの新卒採用では、こういった業界の経験や履歴書ではなく、こんなことを条件に募集をしたらしい。

  • リクルートスーツ以外の服装でご来場ください
  • ブルー&イエローのなにかを身につけてください
  • 履歴書等のレジュメは必要ありません

これだけ見ると突拍子もない募集方法だけど、やはりあくまで履歴書からその人を見るのではなく、長い目でみてこの会社のやり方なた慣れ親しんでやっていけるかどうか、イケアの仕事を好きになれるかというところを本当に重視して採用をしているそうな。 また、ブルー&イエローというのはイケアのメインカラーで、このカラーをどう取り入れてくるかでその人の個性を判断しているのだとか。

逆に言えば、履歴書から能力だけを見て採用するのでは、長い目でみて定着率はやはり低くなるという考え方もあるようだ。

ある意味では日本の旧企業の典型的な形態である「終身雇用」に近いような気もするけども、ただ制度上の終身雇用ではなく、「仕事をどれだけ好きになって自分のために働いてもらうか」というところに観点が置かれている部分は大きな違いだった。

「イケアの企業活動とミスマッチングな方が入社しないこと。 それがおたがいにとってハッピーだと思います。

逆に、ホームファニッシングが大好きで、接客が苦にならず、仲間と一緒に楽しく働け、海外で活躍するチャンスもある。 そういった点に魅力が感じる方は、イケアとご縁があるかもしれません。」

理念は理想だけじゃなく「コスト意識」にも向けられる

イケアの理念については、ただの理想だけじゃなく徹底したコスト意識というところにも向けられているとのこと。

コスト意識は、経費だけでなく、時間にも向けられる。
残業ゼロが基本のイケアでは、勤務時間内に仕事を終えるのが当たり前。 だらだら勤務することは時間のムダであり、商品コストにはねかえる。 時間がかかることは高コストとイコールなのだ。

当然、効率的なマネジメントと高いパフォーマンスが求められるし、社内も決してのんびり働いて提示に退社、という雰囲気ではない。 コスト・コンシャスを肝に銘じながら、きびきびと働くのが常識なのである。

以前は僕もどうしても時間がかかって残業しがちな仕事の形態に辟易して、いかに工夫して早く仕事を終わらせて退社できるかをがんばろうとしていた時期があったのだけど、結局職場全体の意識的なところでうまくいかなかったということがあった。

こういったコスト意識というのは、どこの会社も意識はしていることなのだろうけども、それじゃあ実際に実践できているかというとほとんどの会社では実行に移せていないんじゃないかということは常々思ってた。

イケアでは実際に「残業ゼロ」「コストを削る」という2点をしっかり到達しているのだから、その点に関しては成功例という判断でいいのだと思う。 すばらしいことですよ。

また、コスト意識については、創業者が日本に来た際に「食事を牛丼屋で食べていって、そのコストパフォーマンスに刺激を受けていった」というエピソードも。

イケアの制度が理想的すぎる件

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日本の企業に勤める人間からすると、神と見紛うばかりの社内制度についてもけっこう詳しく紹介されてます。

  • パートタイマーでも育休・産休が取れる
  • 勤務形態(フルタイム/パートタイム)を特別な理由なしに選択できる
  • パートタイマーとフルタイム勤務に仕事内容の違いはなく、また福利厚生にも違いはない
  • 数週間の長期休暇が取れる(むしろ、取るのが義務)
  • 若手を海外の拠点で1年間経験を積める「バックパッカー制度」
  • 会社都合の転勤はない(基本的に、店舗ごとでの採用となるため)
  • 自分が不在のときも仕事が必ず回るよう、権限移譲などが習慣的に可能

こうして出てきたものを並べてみると本当に夢物語のような羅列に見えてくる。 だけども、それを実際に実践しているのだというからすごい。 イケアの北欧的な企業理念がしっかりしているところがうかがえる。

他の企業も追随してほしい理念

こうしてみていると、短絡的な僕は「この会社で働きたい!」とか思ってしまう訳だけど、本書の中では深く言及されている子育てのことについてはあまり興味はそそられなかった。

あくまで個人的な意見になるけど、すごく共感するところと、あんまり共感しない(興味のない)理念が半々くらいで混じっているので、たぶん僕みたいな人間は、イケアでは働けない人間なんだろうなとは思った。 選考の段階で、弾かれてしまう気しかしない(笑)

勤務形態の選択の自由についてや、海外への進出の門戸も開けられているところには非常に興味をそそられたけども、まあ、仕方ないですね…。

むしろ、こうした考え方を持って実践している、他の企業がないかどうかも気になるところ。 やはり北欧的な考え方は、とても共感を覚えて仕方がない。

ちなみに本書のなかでも、日本企業との対比も描かれている。 やはり日本人として気になる部分だよなあというところにも触れられていた。

まとめ

  • イケアの経営理念についての書籍
  • 理念だけで終わらずに、実際の経営、社内制度に反映させている
  • 理念はコスト意識にもしっかり及んでいる
  • すばらしすぎる社内制度、福利厚生。 うらやましい。

どこの企業も理念だけは立派だけど、やはり形だけのところがほとんどのような気がする。

理念が、イコールで社内制度に結びついて、なおかつその理念が収益のためや社会貢献といったものだけじゃない、従業員が働いていて幸せを得られるような方向を向いているのは素晴らしいことだ思った。

接客業だし、残業ゼロや福利厚生がしっかりしているからといって楽な会社なのかというとそういうわけでもないのだろう。 でも、そういった接客業でちゃんとした制度を実現できているという部分は、どこの企業も見習うべきところが多分にあると思う。 どの会社も、こんな考え方ならみんな楽しくしっかり働いていけるのに。

 

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